日本の秋を象徴する植物『秋の七草』を紹介している第5弾。
今回はオミナエシです。
その前に、秋の七草の復習から、
目次(*´▽`*)
秋の七草とは?
日本には古来から「秋といえばコレ!」と決められた植物が存在します。
万葉の時代から日本人に愛されてきた『秋』を代表する植物『秋の七草』は万葉集に収められた山上憶良の歌にうたわれています。
参考リンク→:秋の七草・春の七草、違いと覚え方。
はぎのはな、おばな、くずばな、なでしこのはな、おみなえし、また、ふじばかま、あさがおのはな
(山上憶良
万葉集 一五三八 巻八)
春の七草が、冬の終わりとともに芽吹く、早春の栄養ある薬草を集めるのに対し、秋の七草は季節の変化を目で楽しむ花の美しさに焦点が当てられています。
万葉の歌人たちは、秋の訪れをこれらの花を見ることで感じ取っていたんですね( *´艸`)
季節感が薄らぐ現代、もう一度自然の風景に目を向けてみるのもいいんじゃないでしょうか。
雑草って呼ばないで!秋の七草:第5弾「オミナエシ」
秋の七草の中でも「雑草感」が半端ないのが「オミナエシ」(;^ω^)
まあ、葛(クズ)もたいがいですが、あれはどちらかといえば山に多く民家のそばで見かけることは少ない。
でもオミナエシは結構その辺の空き地にも生えていたりします。
実際、日本以外、中国や朝鮮、東シベリアなどにも仲間が分布するがいずれの地域でも「路傍に咲く花」として、ほとんど鑑賞の対象にされることのない花だった(^_^;)
ところが、日本人は目の付け所が違う。
平安の歌人たちにより紫式部日記や源氏物語をはじめ、多くの文学や歌、俳句に季節の花として読まれている。
鮮やかに咲く黄色の花は確かに、秋を感じさせる。これは日本人特有の感覚なのかもしれませんね(*´▽`*)
オミナエシは結構特殊な植物。学術的分類では??
オミナエシはオミナエシ科オミナエシ属(そんな科があるなんて初めて知った…)の多年草。
学名:Patrinia scabiosifolia
草丈1mにもなる大型の宿根草です。
栃木県の「花之江の郷」にはオミナエシの群落があり、時期にはオミナエシの黄色とミソハギのピンクで染まるらしい。
まだ行ったことないから見てみたいな(*´▽`*)
仲間には白花の「オトコエシ」Patrinia villosa もあり男郎花と書く。
これは優雅な雰囲気のオミナエシ(女郎花)に対した名前。
オミナエシももとは『女飯』からの変化と言われ、男は白米(男飯)女は粟(あわ)や稗(ひえ)など黄色い飯(女飯)というひどい由来だったりもするが、まあ、昔は女性差別なんてたくさんあったので何百年もたって文句を言ってもしょうがないことではあるよね(=_=)
道端に生える草だから栽培は簡単。
山草として販売されていたりもするから育ててみては?
季節になると切り花でも流通してます。
オミナエシは販売されてるけど、オトコエシは園芸利用はほぼない。やはり優雅さがないよね(^_^;)
オミナエシの重大な欠点。
花はきれい。きれいなんだけど、オミナエシには重大な欠点があるんです。
それは、花がすごく臭いということ(;^ω^)
その匂いは『敗醤』にたとえられる。敗醤というのは腐った醤油の匂いのこと、相当なものです(*_*;
文字では香りを伝えることができないので、興味がある方はぜひ嗅いで見て!
古今和歌集では桜、梅に次いで人気が高く数多くの歌に詠まれているが、中には花の香りがたたえられている歌などもあり「ホントに花を見て詠んだのかよ!」と突っ込みたくなることも(^_^;)
とにかく、あまりいい香りでないのは確かです。
独特なにおいは受粉のため
何でそんな臭いにおいを発生させるかといえば、受粉のために虫に来てもらうため。
オミナエシが受粉を助けてもらうパートナーに選んだのが『ハエ』(*_*;
切花は結構すぐに香りが強くなってハエを呼ぶので注意しましょう。
べつにオミナエシにしてみたら人間に喜ばれようが嫌われようが、そんなこと関係ないわけですよ(^_^;)
日本人がかってに秋を感じるだけですからね。
オミナエシの育て方
はっきり言って「育てる」という感覚は不要。
適した場所に植えればあとはかってに育ってくれます。
好む環境は、日当たりよく水はけのよい土壌であること。これだけ。肥料なども不要です。
鉢植えはすぐに根詰まりするので逆に難しい。
毎年植え替え、株分けをしてあげましょう。
まとめ
秋の七草、5番目「オミナエシ」は雑草のようにたくましい。
分類的にはちょっと珍しい植物でした。
海外では見向きもされない小さな花に秋を感じる日本人の感性は素敵ですね(≧▽≦)
ただ、においは臭いので、利用されるさいは注意しましょう。
さて、次回は『フジバカマ』こっちはいい香りの植物ですよ(*´▽`*)
では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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