デンマークカクタス?クリスマスカクタス?いろいろな名前で呼ばれる『シャコバサボテン』花芽の付け方、育て方

シャコバサボテン表紙-
シャコバサボテン表紙-

10月ごろからお花屋さんに並ぶ豪華な鉢花「デンマークカクタス」

同じような姿で、クリスマスが近づくと販売される『クリスマスカクタス』『シャコバサボテン』と言ったものもある。

これって何が違うの??

その答えは・・・

ぜんぶいっしょ(^_^;)

正確には別々のものなんだけど、近年はお互いに交配が進み、ほとんど同じものとして流通している。

管理の方法なども同じなので、いろいろな名前で呼ばれているとだけ覚えておけば十分だ。

育て方も簡単で、初心者でも簡単に花を咲かせられてる豪華な花として昔から人気の鉢花。

なんだけど、「うまく花が咲かない」「すぐ蕾が落ちてしまう」「しおれて枯れてしまう」など、質問の多い花でもある。

今回は、豪華で不思議な『デンマークカクタス』その魅力と育て方をご紹介していこうと思います(^^♪

目次(*´▽`*)

シャコバサボテン(デンマークカクタス)っていったい何者?

​『サボテン』というとこんな形のものを想像されることが多いと思いますが、シャコバサボテンだって立派なサボテン。

サボテン科スクルンベルケラ属に分類されています。

学名:Schlumbergera truncataを中心に交配が進められて、現在の園芸品種が作られました。

このグループは砂漠に育つ、いわゆる柱サボテン・玉サボテンとは違い、木の上にくっついて咲く『着生植物』

だからサボテンだけど、サボテンらしくない姿をしています(;´Д`)

交配が進められていく中で、冬咲きの性質の強いものが『クリスマス・カクタス』や『デンマークカクタス』の名前で普及しました。

現在『シャコバサボテン』の名前で売られているものも、すべて園芸的に作られた交配種で、原種は植物園でも行かない限り見ることはむずかしい。

シャコバサボテンの特徴

シャコバサボテンの特徴はなんといっても、節で別れた平たい「茎」とも「葉」とも言えない不思議な姿。

これは葉茎節と呼ばれ、葉ではなく茎が栄養を蓄え、光合成も行えるように進化した形。

この形がエビの仲間、蝦蛄(シャコ)に似ているので「蝦蛄葉(シャコバ)サボテン」と呼ばれる。

​確かにちょっと似てるかも(゚д゚)!

ほかにもカニハサボテン(カニに似ている)やクジャクサボテン(孔雀の羽に似る)もある。

クジャクシャボテンの仲間で有名なものは、夜に咲く『月下美人』だ。

こちらはシャコバサボテンと違い春~夏に咲く。

参考リンク→:月下美人に花が咲かない?長枝ばかりで困ったらどうする?疑問にお答え。月下美人の上手な育て方

コチョウランなどに近い森林性サボテン

ちょっと変わったサボテンの仲間、『シャコバサボテン』

植物を上手に育てるコツは、その植物の原生地の環境を知ること。

あとはその環境を再現すれば、自然と育ってくれるものなんです(≧▽≦)

シャコバサボテンの育つ環境

  • 木に着生して育つので、水があるときはしっかり、乾くときはしっかり乾く。
  • 森の中なので、直射日光は当たらない明るい半日陰。
  • ブラジルの熱帯雨林なので、湿度は高い。
  • 原生地はブラジルの中でも高山地域なので、夏は暑すぎず、冬はそれほど気温が下がらない。

このような環境を好みます。

これって、まんま胡蝶蘭の好む環境(''Д'')

普通のサボテンのつもりで管理するとうまくいかないが、ランだと思って栽培すると上手に栽培できたりします。

参考リンク→:お祝いにもらった胡蝶蘭の花後の管理・次の花の咲かせ方~コチョウランっていくらするの?

では、これらのことを踏まえて、シャコバサボテンの育て方を紹介します(≧▽≦)

シャコバサボテンの育て方

シャコバサボテンは秋から蕾付きの鉢物で販売されることが多いので、年間の管理を秋の購入時から順番にたどっていきましょう(=゚ω゚)ノ

秋の管理

お花屋さんには、たくさんの蕾をつけた鉢植えが並び始めます。

花付きの株を購入したときの、最も重要なことは『できる高環境を変えない場所に飾る』こと。

お花屋さんで明るい場所に置かれていた花を、家の暗い場所に置いてしまうと花が咲かないうちに蕾が落ちてしまう場合があります!

環境の変化に敏感なシャコバサボテンの花

シャコバサボテンの花は急に暗い場所に飾られたり、冷房の風が直接当たったり、激しく水を切らしたりといったストレスがかかると、小さな蕾は咲かないまま落ちてしまうことが多い。

部屋のできるだけ日の当たる明るい場所に飾るようにしよう。

水のやり過ぎに注意

水を切らすのはよくないとはいえ、これでもサボテンです。

土の加湿は厳禁!根腐れを起こしてしまいます。

土の表面がしっかり乾いてから与えるようにしましょう。

肥料は与えない

開花中のシャコバサボテンに肥料は必要ありません。

逆に根を傷めることになりかねないので、肥料は春まで与えなくても大丈夫です。

どうしても上げないと気が済まない!という方は薄~い液体肥料を水やりの際に与えてあげましょう。

蕾の上がっていない株は芽摘み

以前からシャコバサボテンを栽培している場合、この時期の作業は『芽摘み』です。

夏に育った 葉茎節 の先端、若い芽を摘んでおきます。

シャコバサボテンの花は、一ヶ月以上しっかり成熟した葉茎節につくので、成熟しきっていない若芽はこの時期に積んでしまいましょう。

温度が下がって、日が短くなるのを感じると、一ヶ月くらいの時間をかけて花芽が作られていきます。

お店に早くから並ぶシャコバサボテンは、生産者が温度と光を調整して早く咲かせているんです。

花がら摘みや、芽摘みをしておくと、冬の間に返り咲きすることもあるよ!

冬の管理

終わってしぼんだ花は摘み取っておきます。

花はつまんでねじれば、はさみを使わなくても簡単に外すことができますよ(≧▽≦)

シャコバサボテンの蕾は、基本的に充実した葉茎ならば3つ付きます。

中央の蕾が最初に膨らみ、花が咲く。終わった花を早めに摘むことで、残りの二つが順番に開花してくれます。

シャコバサボテンの冬の水やり

だんだんと気温が下がってくるので、水の量も減らしていきましょう。

冬は乾かし気味に管理する方が寒さに強くなります。

日当たりはあった方がいいけど、窓のそばは一日の中で一番温度変化が大きい。

寒さで株を傷めないためにも、窓からは1m以上離すか、日が沈んだら部屋の中央に移動してあげよう。

シャコバサボテンの耐寒温度

シャコバサボテンが耐えられるのは、5℃程度までと言われています。

暖房の無い部屋では、室内でも夜間は温度が下がる場合が多い。

水やりだけでも、耐寒性はかなり変わります。

  • もっとも温度が下がる夜に水は与えないこと。
  • あたえるのは土がしっかり乾いてから、さらに1~2日置いてから与える。
  • 与えるのは午前中。夜までに余分な水がなくなるように。
  • 水温が冷たいので、室温と同じくらいの湯冷ましで与える。

ちょっと気を使うだけで越冬しやすくなりますよ(≧▽≦)

置く場所も、床より棚の上など高いところの方が暖かい空気がたまるのでおススメです。

春の管理

気温が上がってきたら、シャコバサボテンが生育を始めます。

春の重要なミッションは、株を充実させること。

一年の生育はこの時にかかっているといっても過言ではない。

春にどれだけしっかりした株を育てるかが、今年の花の数にも直結します!

シャコバサボテンの葉摘み

春の重要な作業が、葉摘み。

シャコバサボテンはほおっておくと、どんどん葉茎が伸びて姿が乱れてきます。

伸びた葉を短くして、これからの生育に備えて形を整えるのが『葉摘み』

土から3~4節を目安に摘み取っていきましょう。

周囲は若干短めに、株全体がドーム状になるように形をとるときれいにまとまります。

これからの生育を想定して、希望する大きさの半分、もしくは1/3くらいのサイズまで株を小さくします。

また、葉摘みの際に「はさみ」は不要(゚Д゚)ノ

葉をつまんでねじるようにするだけで簡単に外すことができます。

摘み取った枝は挿し木に利用できるから捨てないでとっておいてね(≧▽≦)

シャコバサボテンの植え替え

春はシャコバサボテンの植え替え適期でもあります。

1~3年に一度、株の生育具合に合わせて一回り大きな鉢に植え替えます。

用土は水はけのよい土なら、普通の培養土でも育ちますが、専用の土があるのでそちらを使った方が失敗は少ないです。

性質としては普通の草花とサボテンの中間位の花なので、サボテンの土でも栽培は可能。

その場合は乾きすぎることがあるので、水やりのタイミングを増やしてあげよう。

  • 植え替えの鉢、シャコバサボテンの土、鉢底石を用意。
  • 伸びすぎた枝をつまんで高さをそろえておきます(葉摘み)
  • 株を抜いて、根を三分の一くらい崩す。傷んだ根(黒くなった根)は取り除きましょう。
  • 新しい鉢に鉢底石を入れて、土を鉢の三分の一くらい入れます。
  • シャコバサボテンを入れて土の高さを調整。鉢の縁から土の高さが数センチ下になるように調整。
  • 周囲にシャコバサボテンの土を入れ、棒などでつついて隙間なく土を落ち着かせます。
  • 水やりは根が落ち着く2~3日たってから再開するようにします。

シャコバサボテンの土

これは栽培している人によっていろいろなものを紹介しているので、迷ってしまう(;´Д`)

基本的に、『水はけのいい土』であればだいたい大丈夫。

  • 赤玉+軽石+腐葉土の等量配合
  • バーミキュライト・パーライト・ピートモスの等量配合
  • ベラボン+花の培養土

などなど。

いろいろな土が紹介されているということは、逆に言えばどんな土で育つということ(^_^;)

基本的に水はけのいい土を使うことで、栽培可能だよ。

シャコバサボテンの挿し木・株分け

シャコバサボテンの株分けや挿し木は春に行うことができる。

まずは株分けだけど、普通はあまり行われない。

それは、シャコバサボテンは元の茎の本数が増えて大きくなるのではなく、地上部が大きく育つ植物だから。

春に葉摘みをして土からの生え際を確認したら半分に分けることは可能。

だが、株のボリュームが半分になってしまうので、サイズを大きくしたしたくない場合は葉摘みで小さく戻すのが基本。

小さめの鉢植えを作るなら、葉摘みした枝を挿し木して育ててあげよう。

シャコバサボテンの挿し木

葉摘みで摘み取った葉茎は土に挿すことで簡単に株を増やすことができます。

充実した葉であれば1枚でも挿し木できないこともないけど、3節くらいはあった方が成功率も高く、今後の生育にもいいです。

挿し木の方法
  • 挿し木用の枝は風通しの良い場所で数日おいておきます。切り口を乾燥させることで雑菌の侵入を防ぎます。
  • 挿し木用の培養土、もしくはシャコバサボテンの土と鉢を用意
  • 鉢に用土を入れたらあらかじめ湿らせて置きます。
  • 挿し枝は同心円状に挿していきます。
  • 枚数は鉢の大きさに合わせて調整します。
  • 挿し枝には向きがあります。反りに合わせて配置しましょう。

夏の管理

日本の夏の気温はシャコバサボテンにとっても辛い。

基本的には夏バテしないように強い直射日光を避けて風通しよく管理することが重要。

夏の直射日光に当たると、葉が焼けてしまうことがある。

葉茎が痛むと、それは秋以降の花付きにも影響してきます。注意しましょう。

夏は基本的に肥料は不要。与えるならメネデールのような活力剤だけにして元気に夏越しさせましょう。

9月に入ったら秋の管理に従って葉摘みを行って花の準備をしよう。

Q&A:シャコバサボテンに花が咲かないのはなんで??

シャコバサボテンの特徴はなんといても美しい花(*´ω`*)

でも、「買ってきたらつぼみが落ちちゃった( ;∀;)」なんて経験ありませんか?

Q:購入したシャコバサボテンの蕾が咲く前に落ちてしまう。なんで?

A,原因は、急激な環境変化によるストレスです。

シャコバサボテンは蕾が小さいうちの環境の変化に敏感です。

室内の光が少ない場所に飾ってしまうとストレスがかかって小さな蕾は開かずに落ちてしまうことが多い。

できるだけ明るい窓辺に飾って楽しむようにしましょう。

その他の可能性

  • エアコンの風による乾燥
  • 過度な水切れ
  • 過剰な水のやりすぎによる根腐れ

光が十分であるのに蕾が落ちてしまう場合、上記のどれかの可能性が高い。

最近のシャコバサボテンは蕾が落ちにくく改良されていいるので昔に比べると、ちょっとやちょっちょっとで落ちることは少なくなった。

心配ならば、ある程度蕾が大きく育った株を選ぶと落蕾が少ないよ(≧▽≦)

買ってきたシャコバサボテンの蕾が落ちてしまったら

もし落ちてしまった場合でも、9~10月くらいに購入した株なら、茎節を数節外して水を控えることで、もう一度咲かせることができます。

開花の条件は「低温で日が短い(短日)、水が少ない」なので条件さえ合えば、まだまだこのあとの季節に咲かせることも可能。

あきらめずチャレンジしてみましょう。

夕方から段ボールなどで遮光して調整すれば2月くらいまでは咲かせられますよ(*´ω`*)

Q,シャコバサボテンがなんだか元気がない。葉が赤くなってきた。

A,土の加湿による根腐れが原因

シャコバサボテンはサボテンの仲間。

土が湿ったままでいると根腐れを起こしてしまいます。受け皿に水をためたままにしないように、乾いてからの水やりを心がけましょう。

傷んだ株は、水やりを控えて様子を見ます。

その他の可能性

葉が赤くなるのは、庭木の紅葉と同じく植物にかかるストレスが原因。

根腐れしていなくても、鉢の中に根がいっぱいになって窒息している『根詰まり』や、

長く育てて株が老化している場合もあります。

植え替えや、挿し木による株の更新で回復を図りましょう。

根ぐされの場合は、傷んだ根を切って一回り小さいサイズの鉢に植え替えるのも方法です。

Q,シャコバサボテンに花が咲かないのはなんで?

A,光の影響の可能性

シャコバサボテンは自然の状態では11月から12月ごろに花を咲かせます。

室内で管理している場合、日照不足で花芽を準備できない場合があります。

室内でもできるだけ明るい場所で管理するか、寒くなるまでは屋外で管理するようにしましょう。

また、屋外であっても、街灯の明かりで夜でも明るい場所では季節の変化を感じられずいつまでも花芽をつけないことがあります。

その場合は、夕方の5時ころから箱をかぶせる(短日化)などで、人工的に夜を長くすることで花を咲かせやすくすることができます。

A2,根づまりしている

長く同じ鉢で育て続けたことで根が詰まり、うまく生育できなくなっている可能性があります。

秋早くならば植え替えも可能なので早めに植え替えをしてあげましょう。

A3,葉茎が充実していない

シャコバサボテンの葉茎の新芽は、約一ヶ月経たないと花芽をつけるまで生育しません。

秋の時点で小さい芽は、9月に摘み取ってしまうことで蕾をつけることができるようになるんです(≧▽≦)

蕾が見えてきたら、あまり場所の移動は行わないようにしましょう。

また、空気が乾燥しても落ちるのでエアコンの風や部屋の乾燥にも注意。霧吹きしてあげよう。

興味深いシャコバサボテンの花

結構かんたんに育ち、手もかからない。

それに花の少ない時期に豪華な花を咲かせるのは魅力ですよね!

​きれいなだけじゃない!このサボテンの花、実はすごく古い形質を残している珍しい花なんです。

よくよく見ると花びらと萼片の境が曖昧。と言うかほとんどわからない。

これはかなり古い時代の植物に見られる特徴。

「花弁」と「がく」のように、進化に従いそれぞれの役割に分化していったと言われているのだけど、シャコバサボテンの花はそれ以前、進化の途中の状態を残しているのだそうだ(゚∀゚)

もし機会があればじっくり観察してください。

育てれば観察し放題(゚∀゚)

いかがでしょうか?少しは育ててみたくなりましたか(^_^

私のおすすめは、蕾が金平糖のかたちをした、その名も「コンペイトウ」蕾の時点からかわいい!!

オススメデス(゚∀゚)


では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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