花かんざしとペーパーカスケード多年草?一年草?混乱の原因を大追跡!

花かんざし表紙

冬から春にかけてお花屋さんに並ぶカサカサした小さな菊のような花。

”花かんざし”と名前がついているお花で、ピンクの蕾が可愛いですね(*´ω`*)

ところで、この「花かんざし」「ハナカンザシ」とは違うって知ってますか?

ややこしい!標準和名「ハナカンザシ」と流通名「花かんざし」

実は和名のハナカンザシは別の花です。学名は ローダンセクロロセファラ Rhodanthe chlorocephala subsp. rosea

これが本当の”ハナカンザシ” 切花などでよく利用されるローダンセに近い花で1年草です。丈は60㎝ほどまで育ちます。

英名ではピンクペーパーデージー。花がカサカサなのは同じですね(^_^;)

こちらはピンクを基本色に白や黄色もあるようです。

そして、流通名「花かんざし」で販売されているのは、 キク科ローダンセ属のローダンセ・アンテモイデス Rhodanthe anthemoides

こちらは小型10~30㎝程度の草花で、多年草です。こっちは白のみ。カワ(・∀・)イイ!!

Wikipediaでも1年草と表記され、そのためか多くのサイトで”1年草”と書かれていますが、それは間違いで原産地オーストラリアでは、本来は多年草です。

もっとも暑さや群れにかなり弱いので、夏前に枯れてしまってほとんど園芸的に1年草のようなものではあります(^_^;)

花かんざしにそっくり!ペーパーカスケードとの違い

花かんざし( Rhodanthe anthemoides )が終わるころからお店に並ぶ、そっくりの花”ペーパーカスケード”

花かんざしに比べて花びらが少しとがっています。あと花の時期が少し遅い。それ以外はほぼおんなじです。

花かんざしとハナカンザシの混同から「花かんざしは1年草・ペーパーカスケードが多年草」という表記もありますが、両方とも多年草です

それもそのはず、この二つ同じ種なんです。

  • 花かんざしの学名がRhodanthe anthemoides
  • ペーパーカスケードの学名がRhodanthe anthemoides cv. Paper Cascade

”cv.”というのは栽培変種。園芸品種のことで Cultivated varietyの略。つまりペーパーカスケードは花かんざしの晩生品種ってこと。

りんごで言えば”富士”と”王林”みたいなもの。ほぼおんなじなんですね。

それが、花かんざしが1年草の”ハナカンザシ”とごっちゃになったことで分かんなくなってしまったんですね(^_^;)

花かんざし、ペーパーカスケードを育てよう!

花かんざしはオーストラリア産の多年草。開花時期は自然開花だと3~5月。ですがお花屋さんには年末ころから販売されます。

日当たりよく乾燥気味な場所を好むので水のやりすぎに注意しましょう。

寒さはあまり強くないので霜に当てないように。明るくて10~15度くらいの環境だと次々花を咲かせます。

関東以西なら軒下くらいで越冬も可能です(゚Д゚)

ただし、温室育ちなのでいきなり寒風に当てるとかはダメですよ。徐々に慣らしていってください。

花かんざしの肥料

基本的にはほとんどいらないです。開花期である2~4月ごろはうす~い液体肥料を与えてもいいですが、できればリン酸の高くないものが好ましいです。Σ(・ω・ノ)ノ

オーストラリア産の植物は基本的に酸性土壌・水はけよく・リン酸少なめが栽培の基本となります。おすすめはハイポネックス微粉やスーパーワンを規定量より倍以上に薄めて与えるのがおすすめです。

花かんざしの土

水はけを重視し、弱酸性土壌が好ましい。用土としては山草の土や鹿沼土・軽石主体の用土がおすすめです。

特に夏は蒸れやすいので、水はけよく管理しましょう。

花かんざしの夏ごし

暑さに弱いので、半日陰の涼しい場所で管理します。夏前に茎を半分くらいまで刈り込んで風通しよく蒸れを防止するのも効果的です。

めんどくさかったら、あきらめるのも方法(^_^;) 越したらラッキーぐらいの軽い気持ちでチャレンジしましょう。

ペーパーカスケードも同じ

開花が少し遅いだけでペーパーカスケードも同じ管理で大丈夫です。

1年草扱いで夏には終わらせてしまう方がいろいろと楽ですよ(;´∀`)

まとめ

花かんざしは、和名「ハナカンザシ」との混同で1年草扱いされることがあるが、本当は多年草。ただし暑いのが苦手で夏には枯れてしまうことが多い。

花かんざしとペーパーカスケードは同じ。ただ花の形が若干違ってペーパーカスケードの方が遅咲きです。

ネットの情報はときに混乱、間違いが広がることがあります。

1つのページだけでなくいくつかのサイトを見比べて判断するようにしましょう。

このブログでもたまに間違いを記述する場合もあります。見つけた場合はコメントなどで指摘いただけると助かります。ご協力お願いします(__)

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

参考書籍 ; 小学館 園芸植物大事典〔コンパクト版〕(本巻2冊・別巻1冊) ほか

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