花は咲くけど実はつかない”キンモクセイ”の秘密

秋風に乗ってどこからか漂ってくるよい香り。

香りの正体を探していくと結構遠くから香っていた、なんてことも(*’▽’)

秋に咲く花木の代表種といえば、やっぱりキンモクセイでしょう。

花の時期しか気にされない。キンモクセイ

開花の時期になれば、そこかしこからただよう香りを手掛かりに見つけることができるキンモクセイもそれ以外の季節は気にされることもない。

だからじっくりその姿を見たことがある人は意外と少ないんじゃないでしょうか(^_^;)

う~ん(^_^;)

確かに葉を鑑賞するって感じではない木ですね。

キンモクセイは何の仲間?

キンモクセイはモクセイ科モクセイ属、(学名: Osmanthus fragrans var. aurantiacus)に分類される。

同じ仲間にはヒイラギがある。

以前の記事でも紹介しているが、このヒイラギは、クリスマスに飾る赤味をつけるセイヨウヒイラギ(モチノキ科)ではなく、春先に黒い実をつける日本のヒイラギ。

キンモクセイほどではないが秋に香りのいい花を咲かせます。

モクセイ科にはグループとしては別の属になりますが、オリーブやライラックなども含まれます。あんまり似てないね(^_^;)

キンモクセイはどこから来たのか?

中国産とされてはいるが、中国には日本のようにオレンジの花を満開に咲かせるキンモクセイはなく、日本で改良されたのかもしれないとも言われています。

キンモクセイのほうが有名ですが、基本種はギンモクセイという白花を咲かせる品種、 学名: Osmanthus fragrans 

花は香りはありますが、キンモクセイほどではなく花数も少ないです。中国では桂茶と呼ばれるお茶がありますが、あれは金木犀なんですよ(=゚ω゚)ノ

知ってました?

桂茶って桂の木じゃないの?と疑問に思われるかもしれませんが、昔から日本や朝鮮では桂とキンモクセイが混同してしまっていたそうです。そのため日本ではカツラの木に中国で言うキンモクセイの意味の「桂」という字があてられているそうです。

全く似てないのになんで間違えたんだろう(^_^;)

日本で育てられるキンモクセイはみな兄弟?

花は咲くけど実はつかない。それじゃあ日本中に存在するキンモクセイはどうやって繁殖したのでしょうか?

答えは”挿し木”。切り取った枝から発根させて苗にすることで全く同じ個体を作る栽培技術です。以前紹介した”月下美人”もそうでした。

日本に持ち込まれた数本を親に増やされたものが全国に広がった可能性が高いです。(もしくは日本で作られたものが増やされたのか)

ただ、キンモクセイに実がつかないのはそれだけではなく、日本に存在するキンモクセイはすべて”雄木”だからなんです(゚Д゚)ノ

雄雌異株のキンモクセイ

キンモクセイは雌雄異株。つまり雄の木と雌の木が別に存在していて、雄の花粉がつくことで初めて実をつけることができます。

日本には雌の木が存在しないので絶対に実をつけることはないんです。原産地である中国には雌木が存在しているので中国まで行けば見ることはできるかもしれません。

日本原色樹木図鑑より

メスのキンモクセイを持ってくればいいじゃないか

確かに。輸入すれば雌のキンモクセイを導入することは簡単です。でも誰もしないのはなぜ?それは需要がないから(゚Д゚)ノ

もともとキンモクセイのメスは花が少ないです。雄は花粉をたくさんバラまくためたくさんの花をつけますが、雌は花の後に実をつける必要もあってたくさんの花を咲かせることができません。

キンモクセイの実には特に利用価値があるわけでもなく、花も少ないとなってはわざわざ導入する必要がないんです。増やすだけなら挿し木で簡単だしね(^_^;)

もしかしたら研究目的などで導入はされているかもしれないけど、そういった情報は見つかりませんでした。「うちの研究室には雌のキンモクセイあるぜ!」っていう方いたら情報ください(≧◇≦)

金があれば銀もあるキンモクセイの仲間

キンモクセイには白花のギンモクセイもあると書きましたが、正確にはちょっと違って「キンモクセイはギンモクセイの変種」なんです。

元はギンモクセイがあってその中で黄色く香りが強く花がたくさん咲くキンモクセイが生まれ、そっちが人気になって広まったというところでしょうか。ちなみにギンモクセイも日本には雌がいません。

ドウモクセイはないんですけどね(^_^;)
日本にはキンモクセイとギンモクセイの中間位の花色を咲かせる「ウスギモクセイ」という品種があります。これは唯一、雌の木も存在していて実をつけることが確認されています。

ヒイラギもキンモクセイの仲間

キンモクセイの仲間でちょっと変わった木がヒイラギ。そしてそのヒイラギとギンモクセイの交雑種だといわれるが「ヒイラギモクセイ」

見た目はトゲの激しいギンモクセイってところ。これも白い花を秋に咲かせるが、やはり数も香りもキンモクセイに劣る。

このヒイラギモクセイどこで使われるかというと、”生垣”

防犯のためヒイラギも生垣に人気だったんですが何せ成長速度が遅い。そこで成長が早く、それなりにトゲがって防犯にもいいヒイラギモクセイが生垣として重宝された時代がありました。近年はすっかり見なくなりましたね(´・ω・`)

四季咲きのキンモクセイもある

実は四季咲きのモクセイの仲間は2種類あります(゚Д゚)ノ

一つが”四季咲きモクセイ”。もう一つが”四季咲きキンモクセイ”です。

四季咲きモクセイ

四季咲きモクセイは白花です。

四季咲きモクセイ”スイートオリーブ”という名前で販売されています。この木の特徴はあまり大きくならないこと。通常のキンモクセイが10んを超える大木になるのに対し3~4mだといわれています。まあ、十分大きいけど(^_^;)

四季咲きキンモクセイ

名前の通りオレンジ色のキンモクセイと同じ花を咲かせます。普通のキンモクセイに比べると色はやや薄く、香りも弱いようです。

(ウスギモクセイを四季咲きモクセイとして販売している店もあり情報がごっちゃになっているところもあるようです)

どちらの四季咲き種も通常のキンモクセイより香りは弱く、花も少ないのは共通の様です。これは秋に一度で力を使い切らず1年間ちょっとずつ分散して咲かしているのだから仕方ないですね。

キンモクセイの育て方

丈夫な木なので植え付け時に腐葉土などを入れた肥沃な土なら植えつけ後はほっておいてもOK (^_^;)

根付くまではしっかり支柱で支えましょうね。場所は多少日陰でも大丈夫。だけど花数が極端に少なくなるのでできるだけ日当たりに植えましょうね。

ほっといてもいいけど、勝手に育つと10mの大木になるから大きくしたくない場合は毎年花の後に刈込を行いましょうね。

まとめ

日本には雄しかいないキンモクセイ。

昭和の時代はトイレの芳香剤にキンモクセイの香りが使われていたことから年配の人は「キンモクセイ=トイレ」のイメージがあるようで人気がなかったりします。

豪華ではあるけどさすがに香りが強すぎるという方は四季咲き種やギンモクセイを植えるといいかもしれないですね。日本では東北南部くらいを北限に栽培ができますよ。

最後に「金木犀」という漢字。「犀」は動物のサイのことで太くなった木の幹肌が犀の肌に似ているからだとか、そんな昔に犀のこと知ってたのか?と思われるかもしれませんが、平安末期の鳥獣戯画には空想の動物としてだが記述があるらしい。平安人すげー(゚д゚)!

ちょっと今年のキンモクセイの開花が楽しみになりましたか?

では、よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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