ユスラウメとスモモの”ふくろみ病”って何?

ふくろみ病表紙

ふくろみ病?なんだか聞いたことの無いような病気ですね(?_?)

「ふくらみ病」じゃないですよ、「ふくろみ病」です。

この名前、どうやら「袋実病」と書くらしい。

どのような病気かというと、4~5月ごろ花が落ちて実が膨らんでくるころに、果実が通常よりも大きく、まるでエンドウマメのサヤのように細長く育ってしまう病気。

中はスカスカでふくろ状なので、「袋実病」らしい。

この病気にかかった実はもちろんまともに成長しないので最終的にはしおれて落ちてしまう(>_<)

大量発生するとその年の収穫が全滅(*_*; なんてことになりかねません。

どんな病気なのか?また防除は可能なのか?詳しく紹介していこうと思います。

スモモで被害甚大!奇病「ふくろみ病」

『ふくろみ病』とはどんな病気かというと、4月ごろに花が終わり実が膨らみ始めるころ、果実が細長くエンドウマメのように長く、そして大きく膨らんでいく症状のこと。

膨らむといっても、実が大きくなるような膨らみ方ではなくしわがよったようないびつな膨らみ方をします。

症状が進んだ実は白く粉を吹くようになり、最終的にはしおれて落ちてしまいます(*_*;

この病気、多くはプラムやプルーンに発生が多いが、近縁であるアンズや梅に発症することも結構ある。

また、家庭菜園で栽培の多いユスラウメも、同じくふくろみ病の被害にあうことのある果樹です。

参考リンク→:プラムとスモモとプルーン何が違うの?

今年の実はもう治らない(*_*;

こうなってしまった実は回復することはないので切り取るしかありません。

そのまま放置しておくと病気の胞子をばらまき、被害がさらに拡大する可能性があるからです。

ふくろみ病の菌は空中湿度が高かったり、雨が多いことが好条件なので、雨の多い年は発生が多いといわれています(*_*;

この病気の発生は膨らみ始めの4~5月に集中するので、この時期を乗り切った果実は奇形化することはありません。

ただし、一度病気にかかると、来年以降も同じ病気が発生する可能性が高いので、冬の間に対策しておくことが必要です(゚Д゚)ノ

ふくろみ病は予防が重要

昨年病気になった場合、新芽が吹く前、冬の防除が必須

ふくろみ病にかかった実は干し柿のように白い粉のようなものが周囲を覆っています。

この粉が実は病気の胞子(゚Д゚)ノ

雨などで水はねとともに周囲や枝にうつり、そのまま次の年の芽が伸びるのを待っています。

病原菌は固い枝の状態では感染することができないので、柔らかい新芽が伸びるのをじ~っと待っています。

そして暖かくなり新芽が伸びるとすぐに感染するんです(゚Д゚)ノ

感染してもすぐに病気が発現するわけではありません。

新芽が伸びる中で菌を増やしながらどんどん増殖していきます。

開花後、実を膨らませるために栄養を大量に送り出すのに合わせて、増殖した菌がいっきに実に集中します。

通常は木の抵抗力で菌を排除するのだけど、木の力より菌の繁殖力の方が勝ってしまうと、果実はその栄養を菌の繁殖用に使われてしまいます。

この時、成長ホルモンの異常が起こることで、ふくろみ病特有の果実の奇形化がおこってしまうんです(゚Д゚)ノ

さらに、果実の周囲に発生した胞子は、新たな獲物を求めて雨などの水に乗って周囲に広がります。

ある程度成熟した実には感染することができないので、幹について来年の柔らかい新芽の時期を待ちます(*_*;

つまり、一度感染してしまうと、越冬している菌を退治しない限り毎年発生を繰り返すことになってしまうんです!

有効なのは石灰硫黄合剤なのだが……

では、どのように防除すればいいのか(。-`ω-)

もちろん薬を使っての予防になるのですが、これが簡単ではないんです。

参考リンク→:石灰硫黄合剤が売っていないんです(;´・ω・)

効果が高い薬品として紹介されることの多いのが『石灰硫黄合剤』なんだけど……

詳しくは上の記事に書いてあるが、現在「石灰硫黄合剤」は一般的な園芸店ではなかなか購入することが難しい。

簡単に致死性のガスを発生させることができるため、危険防止の観点から家庭向けの小分け販売が規制されている。

ネット通販などを利用すれば購入することは可能だが、どれも10L以上と一般家庭で使い切るのは至難の業。

では、ほかの薬品はないのかと考えるところですが、「ふくろみ病」に適応のある薬がないんです!

ふくろみ病適応の薬は少ない

もともと「ふくろみ病」の薬はすくなかったのだけど、 パルノックス水和剤 / 製造中止 パルノックス フロアブル / 製造中止 ダイボルト フロアブル / 製造中止 と、代表的な薬が次々販売中止に(^_^;)

現在、適応がある薬は「チオノックスフロアブル」「ホーマイコート」「トレノックスフロアブル」など農家向け薬品だけのようです。(ほかにご存知の方はご連絡ください)

あまり一般的な薬ではないから、これらも通販でないと購入は難しそうです。(トレノックスフロアブルは見つからなかった(=_=))

これらの薬でも適応があるのはスモモ(プラム)だけ。ユスラウメの適応はありません

というか、『ユスラウメ』で適応を取っている農薬は現在のところ無いので、法律にのっとって散布するなら「落葉果樹」全般に使用許可のある石灰硫黄合剤しか使えないんです(>_<)

ふくろみ病は家庭果樹では打つ手なし?!

家庭菜園で育てているスモモがふくろみ病になったら、農家用の薬しか手はないのでしょうか(*_*;

まあ、現代はネット通販で注文するのも難しくはないので取り寄せできなくもないですが、取り寄せの送料も考えるとなかなかの出費です。

ホームセンターや園芸店で販売してる薬で効果のありそうなものはないか探してみました。

ふくろみ病の菌は桃の縮葉病の菌と同じ

調べてみると、”ふくろみ病”の菌と”桃の縮葉病”の菌が同じタフリナ属に分類されているとわかりました。

これは”縮葉病”に効果のある薬なら、”ふくろみ病”にも効果がある可能性が高いです(。-`ω-)

縮葉病に効果があり、ホームセンターなどでも手に入る農薬は「オーソサイド水和剤」があります。

「オーソサイド水和剤」には桃の縮葉病の予防薬としての適応があります。

またスモモ類は” 小粒核果類 ”なので、この薬を使うことも問題ありません。

新芽の展開前に散布することで予防効果があるのではないかと考えられます。

ふくろみ病としての適応はメーカーの記載がないので確実ではないですが、予防効果がある程度あるのではないかと思われます。

この件については当方が専門家ではないので、もし詳しい方がいたらご指摘いただければ幸いです(__)

確実なのはチオノックフロアブルなどの専門薬を取り寄せて使用するのがいいですが、それが難しいようなら試してみる価値はあるのではないでしょうか。

オーソサイドにしてもユスラウメは対象外ではありますが、小粒核果類といえなくもない(農薬の規定では、梅・あんず・スモモと規定されるので違うといえば違う(^_^;))あと使用する人の自己責任とはなってしまうが、この病気で困っているなら使ってみるのもいいかもしれないです。

まとめ

今回は奇病『ふくろみ病』について紹介しました。

いろいろ見ると、スモモのソルダムでの発生が多いみたいだけど、使用できる薬がないことでユスラウメの被害で困っている人も多いようだ(;´Д`)

ユスラウメについては法律的には『石灰硫黄合剤』以外選べないけど、今回の記事が参考になれば幸いです。

農薬の使用については私も専門知識があるわけではないので、間違いがあるかもしれません。

使用する際は容器に添付されている説明をよく読んでご使用ください(__)

また、専門家のかたで間違いや、もっと正しい防除法があればご指導いただきたいと思います。

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

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