お茶にしていいのはどれ?『マリーゴールド』の違いを紹介。アフリカンでもフレンチでもないホントはメキシカン?マリーゴールドの秘密

夏の暑さにも負けず、黄色やオレンジの花で我々の目を楽しませてくれるマリーゴールド。
虫もつきにくく丈夫で育てやすいことから、花壇やプランターなど様々な場所で見かけますね。
そんなありふれたマリーゴールドですが、以外に知らないことも多い。
今日はそんなマリーゴールドのうんちくを集めてみました。
目次(*´▽`*)
マリーゴールドとは何者か?
一度は目にしたことのある花、マリーゴールド。
マリーゴールドはキク科コウオウソウ属(Tagetes)の一年草。
春から秋まで咲いて冬には枯れてしまいます。
キク科なので、マリーゴールドの花は1個に見えても、実はあの花びら一枚ずつが本当の一個の花。
その小さな花がいくつも集まって一つの大きな花に見せているわけです。たんぽぽやヒマワリも同じキク科の仲間ですね(*^_^*)
参考リンク:ひまわりを種から育てよう。ポット苗のヒマワリは大きくならない?種まきと育て方
コウオウソウ属というのはほとんど聞いたことない名前ですが、これはマリーゴールドの和名、コウオウソウ(紅黄草)からきています。
確かに花色はそんな感じだけど、「紅黄草」なんて言われてもピンとこないですね(-.-;)
最近はタゲテスの名前で園芸品種が販売されている近縁種もあります。
レモンの香りがするので「レモンマリーゴールド」なんて呼ばれたりもします(*^^*)
ちなみに、よく見る普通のマリーゴールドは「フレンチマリーゴールド」
アフロ頭みたいな丸く大きな花を咲かせるのを「アフリカンマリーゴールド」といいます。
でも、ホントのところ、マリーゴールドはフランスにもアフリカにも自生してないんです(゚Д゚)
アフリカンでもフレンチでもない。ホントはメキシカン
ではここで、『マリーゴールド』と呼ばれる植物たちを復習しておこう(=゚ω゚)ノ
- フレンチマリーゴールド:もっとも一般的なマリーゴールド。
- アフリカンマリーゴールド:頭花が大きくまん丸く咲くマリーゴールド。
- レモンマリーゴールド:小輪で、多年生レモンの香りがする。
- ポットマリーゴールド:これはタゲテス属(マリーゴールド)の仲間ではなく、キンセンカ。
似たような名前だけど、それぞれ特徴があります。
フレンチマリーゴールド(普通のマリーゴールド)

一番ポピュラーなのがこれ、フレンチマリーゴールド。学名;Tagetes patula
単に「マリーゴールド」と呼ぶ場合、このフレンチマリーゴールドをさすことが多い。
基本は黄色とオレンジだが、濃いオレンジや赤いものまで最近はいろいろな品種が出てきている。
「フレンチ」と呼ばれますが、原産はメキシコ。
寒くなると枯れてしまう一年草です。
アフリカンマリーゴールド
コチラが「アフリカンマリーゴールド」学名;Tagetes erecta


まんまるの大きな花が特徴。
アフロみたいだけど、アフロマリーじゃなく、アフリカンマリーですよ(^^)/
アフリカンにはバニラという白花もあってこれもきれい!
まだフレンチマリーゴールドには「白」ってないので、これは貴重です。
白花は苗であまり売ってないんですよね(´・ω・`)
性質や育て方はフレンチマリーゴールドと変わらないの、丈夫で育てやすい。同じく一年草。
こいつもアフリカではなく、原産はメキシコです。
レモンマリーゴールド

同じタゲテスの仲間でも、こちらは多年草、というか低木。
開花期もほかのマリーゴールドと違い、秋から冬(9~11月)にかけてです。
学名はTagetes lemmonii
原生地の北メキシコでは2mにもなるそうだが、日本では1mまで行くことはほとんどない。
寒さにもそこそこ強く、耐寒性Zoneの指標は9~10。関東以南なら問題なく越冬できるくらいに寒さに強い。
参考:この植物はうちで冬越し出来るかな?耐寒性はUSDA 耐寒性ゾーンマップ(Hardiness Zone)で調べられるゾ!
ハーブとしても利用され、「葉をお茶にする」という記述もたまにあるが、香りが強すぎるのであまりお勧めできない。基本的にはポプリなどで楽しみましょう。
ハーブティを楽しむなら、後述のポットマリーゴールドのほうがいいですよ。
タゲテスの仲間は後述する土壌の線虫予防の効果があります。
ポットマリーゴールド(キンセンカ)

ややこしいんだけど、ハーブティで「マリーゴールド」と言ったら、こっち『ポットマリーゴールド』
いわゆるキンセンカ。
学名はCalendula officinalis
フレンチマリーゴールドなどとは時期が違い、冬から早春にかけて開花。
エディブルフラワーとして花びらをサラダにしたり、乾燥してハーブティなどに用いられます。
フレンチ・アフリカン・レモンのマリーゴールドとは、全く違う仲間なので注意が必要。
観賞用のキンセンカも基本的には同じだけど、食用の用途としては作られていないので、農薬などの危険があります。
ハーブとして利用する場合は『ハーブ用』として栽培されたポットマリーゴールドを使用しましょう。
逆に、ポットマリーゴールドは線虫予防効果はないので、利用用途によって使い分けしましょうね。
マリーゴールドはハーブティーにもいい?
黄金色のマリーゴールドのハーブティ。
香りは殆ど無いけどきれいな色と風の予防効果から人気の高いハーブです。
「家にもいっぱい植えてあるからハーブティにしようかしら?」と思ったあなた!ちょっと待った( ゚Д゚)!!!
ハーブの『マリーゴールド』は『マリーゴールド』じゃないんです!!
このハーブに使われているマリーゴールド。
正確にはポットマリーゴールドといい、学名はCalendula officinalis。カレンデュラ・オフィシナリス。
カレンデュラつまりは「キンセンカ」のことなんです(´・ω・`)
なんだかごっちゃになって紹介されていることもあるようですが、マリーゴールド(タゲテスの仲間)は食べれません。
レモンマリーゴールドもハーブとして紹介されますが、サラダのいろどりに花びらを使うことがあるくらい。基本はポプリなどで香りを楽しみましょう。
マリーゴールドは死者の花?
すべてのマリーゴールドではなく、とくにアフリカンマリーゴールドがメキシコでは死者の花として扱われています。
花の香のエッセンシャルオイルを抽出して遺体を洗ったり、花を墓地に植える風習があるため死者の花と呼ばれるようです。
日本で言うところの「菊」や「彼岸花」といったところでしょうか。
日本では仏壇用の菊や彼岸花を花壇で楽しむことは少ないかもしれないけど、ポットマム・ガーデンマムやリコリスといったように海外では普通の園芸植物として扱われています。
所変われば・・・ということですね^^;
マリーゴールドの虫よけ効果はどの程度?
「マリーゴールドは虫よけ効果があるから植えたら虫が来ない!!」というのは、残念ながら嘘!
確かにマリーゴールド自身はほとんど害虫の被害を受けることがない丈夫な植物ですが、その効果が周囲にまで及ぶかは殆どわかってません(´・ω・`)
それでもマリーゴールドが虫除け効果がある。
と思われているのは、正確には「土中の線虫予防に効果がある」というのを拡大解釈して覚えてしまっているのではないでしょうか。
確かにマリーゴールドには線虫を退治する力を持っています。
これは科学的にも実証され実用例もおおくある。
大根などの畑の線虫予防専用に「花の咲かないマリーゴールド」も販売されています。
だけど線虫というのは、土の中にいる糸くずのような生き物のこと。
それが侵入すると特に根菜類のじゃがいもやダイコンに被害を与えることがあり、その予防としてマリーゴールドが使われています。
効果があるのはその線虫なので、アブラムシや飛来する虫まですべて守ってくれるわけではないんです。
マリーゴールドの防虫効果
直接の防虫効果はイマイチだけど、野菜の近くにマリーゴールドを植える利点はあります。
野菜に外を与えるアザミウマは黄色に惹かれる性質があり、野菜よりも近くにあるマリーゴールドに集まる性質がある。
さらに、そのアザミウマを狙って益虫(アザミウマを餌にする)が集まり、結果として野菜を害虫から守ることにつながっているんです。
間接的にだけど、防虫効果があると言ってもいいかもしれないね(^^)/
まとめ

苗の値段も安く100~200円程度で買えて、丈夫で誰でも育てられる。
ほとんど枯れる心配もなく秋まで咲き続ける。
更に虫除け効果まであるとなったら、もう植えるしかないですね\(^o^)/
今年はお庭一面マリーゴールド畑にしてしまいましょう!!
では、皆様よい園楽を~~~~~~~~(≧▽≦)!

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