クリスマスローズはクリスマスに買ってはいけない。

冬の花の少ない2月頃の時期に咲いてくれる数少ない花。
しかも、半日影に耐え、寒さに強い。丈夫な植物。
花は色形ともにバリエーションに富み、その色は千差万別。
交配によって様々な花色が楽しめるそれが、
「クリスマスローズ」
正確にはヨーロッパでクリスマスローズと呼ばれるのは早咲きの原種「ノイガー」だけ。
一般的に日本でクリスマスローズと呼ばれる花はレンテンローズ。
もしくはオリエンタリスハイブリットと呼ばれているが、日本ではヘレボルスの仲間を、まとめて「クリスマスローズ」と呼ばれています。
最近は12月から開花したクリスマスローズが販売されることもありますが、あまりおすすめはしないです。
目次(*´▽`*)
無理やり開花させた12月のクリスマスローズ
園芸業界では往々にしてイベントに合わせて開花を調整することがあります。
クリスマスのポインセチアなども、本来の開花時期ではないです。
最近はクリスマスローズも夏の時期に涼しい高山に上げて寒さを経験させたあとに、温室で温めることで春と勘違いさせて早く開花させることができるようになりました。
コレによってクリスマスに「クリスマスローズ」が楽しめるわけですが、この花の購入はあまりおすすめできません。
温度管理が難しいクリスマスローズ

なぜかといえば、春までの管理が難しいからです。
冬でもある程度温かい霜の降りないような地域であれば、そのまま外で鑑賞することができるかもしれませんが、多くの地域では屋外に出しっぱなしでは寒すぎます。
本来であれば2月に開花して、その後は徐々に暖かくなっていくはずが、1月2月とこれから寒くなっていく。
これではクリスマスローズの生活サイクルがずれてしまいます。
寒すぎないように室内管理をすればいいと思うかもしれませんが、今度は温度が高すぎて日照が少ないと間延びした弱い株になってしまいます。
12月に買ったクリスマスローズの管理
それでも、クリスマスローズの花との出会いは一期一会。
気に入った花色なら仕方ないですよね。
購入したらできるだけ良い状態で春まで管理しましょう。
購入直後は強い寒さには当てないように注意
12月のクリスマスローズは温室育ち。気分は春。
そんな状況で急激な寒さに当たると、枯れないまでも、花茎がしおれてしまうことがあります。
購入後、日中は日当たりの良い屋外で管理して構わないが、夜間は玄関など暖房のない屋内で管理します。
面倒ですが夜~明け方の一番寒い時間を避けることで、寒さに慣れてしっかりした株になっていきます。
寒さに慣れた株なら、無霜地域なら屋外のままでも大丈夫です。
氷点下になるような地域なら花が終わるまでは、夜間の取り込みを行ったほうがいいでしょう。
花が終わったら屋外管理でOK
花が終わって種がつき始めたら花茎を切って屋外で管理しましょう。
葉っぱだけなら多少の霜や雪でも大丈夫。
冬の凍結がひどい地域では引き続き夜間の取り込みを行ってください。
3月になったら植え替えを行いましょう。
12月に買っても良いクリスマスローズ
開花株でも12月に買っても良いクリスマスローズがあります。
それが早咲きの品種ノイガーと、その交配種。
近年は花色も姿も、様々な種類が作られています。
特徴はなんと言っても、早咲き性と多花性。
12月から次々とたくさんの花を咲かせる、ややがっしりとした株が多い。
ノイガーとは
ノイガーは12月から白い大きな花を次々と咲かせる多花性のクリスマスローズです。
ノイガーは学名:Helleborus niger
イタリアからスイスにかけてのヨーロッパに自生するクリスマスローズ。
ノイガーはニガー・ニゲルなどと呼ばれることもある。
名前は「黒い」という意味。
花は真っ白なのになぜかというと、根が黒いからだそうだ。なぜそこに注目したんだ?(^_^;)
ノイガーの花期は他の品種に比べて早い12月ごろから。
そのため12月に販売されていてもそれは自然なことなので過保護な管理をしなくても元気に育ってくれます。
また、ノイガーは他の品種とも容易に交配し、多くの品種が作られています。
この仲間も早咲きになる傾向が強く、早い時期から販売されることが多い。
12月に買ってもいいクリスマスローズの苗

クリスマスローズの開花株はやめたほうが良いと書きましたが、クリスマスローズの苗はむしろ年内がおすすめ。
9cmくらいのポットに植わった小さな苗が早ければ10月頃からお店に並びます。
こちらはむしろ早く大きな鉢に植え替えて株を充実させる必要があるため、早めの購入がおすすめ。
素敵な花が安いお値段で購入できます。
ただし、苗の購入の際にも「注意点」があります。
クリスマスローズの苗を買うときの注意
お手頃な価格で販売されるクリスマスローズの苗。でも、この二つのことを知って購入しないと後悔することになるかもしれませんよ(^_^;)
ラベルの花が咲くとは限らない
クリスマスローズの苗は小さく花がありません。そのため多くの苗には将来咲く花の写真がつけてあります。
しかし、実際にその花が咲く確率は80%程度だといわれています(゚Д゚)ノ
ラベルを見るときちんと注意書きがかかれています。
これはタネから育てる限り仕方のないことで、クリスマスローズは個体によって花色に差が出るのは避けられない。

写真は親となった株の花を収めた写真なので、高い確率で親と同じ色が出るが、絶対に同じ花が咲くとは限らないんです。
大体は写真のような花が咲きますが、形が違ったり、スポット(花びらの中の模様)が入ることがあります。
しかもそれがわかるのは開花してから。それにはちょっと時間がかかります(^_^;)
開花までには3年くらいかかると覚悟しよう
クリスマスローズはタネから育てると開花までは約3年かかるといわれています。
苗で販売されているクリスマスローズは今年種から育てた1年目のものなので、早くても開花するまで2年~3年はかかると覚悟しましょう。
クリスマスローズの開花株が値段が高いのはこの栽培期間が長くかかっているからなんですね(^_^;)
買わない方がいいクリスマスローズの苗

クリスマスローズの苗には写真ラベルの付いた「色分け苗」のほかに「ミックス苗」というのが販売されています。
ラベルにはきれいな花がたくさん咲いているような写真が使われていてどれもきれいに見えますが、おそらくどの花も咲きません。
有名な生産者さんのタネから育てた苗なら変な花が咲くことはないでしょうが、ほとんどは何の親からとったかもわからない種。
そうするとクリスマスローズは基本色であるくすんだ紫色の発生が多くなります(^_^;)
来歴のわからないミックス苗は安いので、グラウンドカバー代わりにそこら中に植えるのでもない限りやめた方がいいと思います。
どうしても写真の花がほしいときは「メリクロン」苗を選ぼう
クリスマスローズの苗でもラベルと全く同じ花が咲くことが保証されている苗があります。
それが「メリクロン苗」これは、写真のクリスマスローズの細胞を組織培養して作った「クローン」
遺伝子的にも全く同じ構造を持つので確実に同じ花が咲きます。
普通の色分け苗よりお値段は高いですが、花色だけではなく育てやすさや丈夫さなども研究され、クローンを作るに値する良い遺伝子を持つ苗だけが選ばれているので、失敗が少ないです。
まとめ
クリスマスローズは苗もいいけど、やっぱり2月ごろに開花株で購入するのがおすすめです。旬の時期の方が花色もきれいに発色します。
2月には有名な生産者さんが自慢の一品を展示即売する「サンシャインシティクリスマスローズの世界展」が開催されます。
2022年は2月18日(金)~20日(日)に開催が決定しています。
素晴らし花がたくさん展示されるので興味がある方は見学してみるといいですよ(≧▽≦)
このほかにも、この時期には各地でクリスマスローズの展示会が開催されています。お近くで開催がないか調べてみてください。
開花株の場合は確実に花が確認できます。
特に初心者の方は、ある程度育ったものの方が丈夫で失敗も少ないのでおススメですよ。
奥深いクリスマスローズの世界をのぞいてみませんか?
では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙
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