コカノキ・コカイン・コカコーラ?日本で栽培できるの?

コカノキ 表紙

今回の植物は悪名高い麻薬「コカイン」の原料「コカノキ」です(゚Д゚;)

コカインといえば麻薬の中でも危険性・中毒性が高く、危険であるといわれています。

現在日本を始め、世界の先進国では栽培はもちろん、持ち込みも厳しく制限されているコカノキ。しかし自生地であるコロンビアやペルーでは昔から利用されてきた健康ハーブでもあるんです。

毒と薬は紙一重。「コカノキ」の真実をご紹介します(=゚ω゚)ノ

コカノキってどんな植物?

コカノキ(コカ)はコカノキ科コカ属 (学名Erythroxylum coca) の常緑低木。樹高は1~3mに育ちます。

原産地は南アメリカ。現地ではシャーマンが占いや呪術などに使用する。

コカの仲間には「コカノキ(ボリビアコカ)」「アマゾンコカ」「ジャワコカ」「ペルーコカ」の4種が知られており、かつては東南アジアでジャワコカが麻酔薬の原料として栽培されていた。

コカノキの標本として見ることができたとしても、ほとんどがこのジャワコカらしい。この中で最もコカインのアルカロイド含有量が多いのはペルーコカだが、世界のコカイン撲滅の風潮で研究はほとんど進んでおらず、詳しい情報はない。

見た目は普通の木だが、特徴としては葉裏の葉脈の両側に2条の縦筋が入るのが特徴。

小さく白い花を咲かせ楕円形の赤い実をつけます。一説には初期のコカ・コーラの瓶はこの実の形からデザインされたともいわれています。

コカノキは日本で栽培できる?

熱帯の植物なので日本での地植えでの栽培は難しいでしょう(=_=)

もっともそれ以前に、日本に持ち込んだ時点で違法です!栽培はもちろん苗を手に入れることでも不可能だと思った方がいいでしょう(゚Д゚)ノ

コカノキの利用

コカノキといえば、だれもが「麻薬コカイン」を思い浮かべるが、ペルーなど現地では嗜好品のひとつとして普通にお店で販売されている。

コカノキには精神を興奮させる成分が含まれており、小量であれば中枢神経を興奮させることで高山病の薬に利用されます。

現地では普通に販売されており、生の葉を噛んで高山病の状態を緩和させます。

高山病の緩和にコカ茶

南米の高山地帯は空気が薄く、高山病にかかることも多い。その際に症状を緩和してくれるのがコカの葉のハーブティ、コカ茶。

これはもちろん現地では”合法”

コカの葉を直接お湯で煮出すものと、手軽に利用できるティーパックもあるようだけど、ティーパックはあまり効果がないらしい(^_^;)

コカ茶は現地に行けば旅行者でも普通に買えるようだけど、日本に持ち込めるかどうかは不明。

コカノキは検疫で日本への持ち込みが禁止されているから、ティーパックの商品ならもしかしたら許可されるかもしれないけど、詳しくは検疫官に相談してくださいね(-ω-)/

生の葉を噛んだり、お茶を飲むくらいでは中毒にはなりません。結晶化したコカインは非常に危険です。麻薬・ダメ・絶対(゚Д゚)ノ!

麻酔としての利用

かつてはコカノキから抽出したコカインは局部麻酔として医療の世界で利用されていました。しかし、使用中に患者が興奮状態になる、中毒症状の危険などの問題から現代は、副作用の少ない「プロカイン」が科学的に合成され、コカインが手術で利用されることはすっかりなくなってしまいました。

麻薬としてのコカイン

コカノキに含まれる毒の成分はコカイン(コカアルカロイド)

致死量は口からの摂取で1~1.5g。注射だと0.2~0.5gといわれています。

毒性は高いようだが、コカインの摂取過剰での死亡例は少ない。

コカインの生の葉には0.7~0.8%のコカインが含まれているが、コカインは水に溶けにくく現地の人が利用する「葉を噛んで成分をとりいれる(ピクチャール)」やコカ茶で吸収される量はかなり少ないと考えられています。

コカインの末端価格は1gあたり15,000~40,000円という価格で取引されていて、暴力団の資金源となっています。

ちなみにペルーなどでコカの葉を買うと100gで100円くらい。成分量からいうと原価は150円くらいということ。おお~すげーぼったくりですね(゚д゚)!

コカインの危険性

麻酔薬としての利用が無くなったコカノキは麻薬・ドラックとしてのみ注目されるようになっていしまいました(-ω-)

ドラッグとして流通するコカインは成分を結晶化させた白濁結晶。これを微細な粉末にして鼻の粘膜などから吸収します。

ストローを使って鼻から吸い込む描写を洋画の中などで見ることがありますが、注射器を使わずに使用できる手軽さが安易に手を出してしまう原因にもなっています(゚д゚)!

一回の使用量は15~30ミリグラム。一度の使用では15~30分間と効果持続時間が身近のも特徴。

安易に使用でき、効果も短いので、繰り返し利用しているうちに耐性がついて使用量が増加。中毒に陥りやすい。中毒症状としては精神不安・肉体衰弱・幻覚・妄想などに苦しめられることとなります(゚Д゚;)

ドラックとしてのコカインはアッパー系と呼ばれ、精神が研ぎ澄まされ、疲労や不安が吹き飛ばされる効果がある。

アヘン(ヘロイン)大麻(マリファナ)は逆にダウナー系と呼ばれ、精神が落ち着いて気持ちよくなる効果があります。


コカコーラとコカイン

コカコーラの”コカ”はコカノキの”コカ”であることは有名。

コカコーラ社は認めていないようだが、発売当初はコカの葉とコカの実が原料に使われていました。これはほぼ間違いないようです(^_^;)

もちろん現在のコーラにコカインの成分は含まれていません。コカインの代わりに覚醒成分として現在は”カフェイン”が含まれています。

コカインの取り締まり

コカノキをお茶などに利用していたアンデスなどでも1975年に国連の取り決めでコカノキの植栽の禁止が提携されました。

これにより、新たにコカノキを植栽して栽培することが禁止されました。

現在は、締結以前に植栽されたコカノキの畑でアンデス政府の許可の元、細々とコカノキの葉は採集されている。しかし、実際に暴力団やテロリストに流れるコカインは政府管轄とは別の闇で栽培される”コカノキ”

悪用目的に利用されるコカインは5万トン末端価格83兆円にもなる(*_*;

これらの闇コカノキは政府に許可されるコカノキよりもかなり高価で買い取ってくれるため法律で禁止されても栽培する人が後を絶たないという。

コカノキのこれから

麻酔としての利用が無くなり、世間を脅かす”麻薬”としてしか認識されなくなったコカノキは人間の都合で絶滅させられようとしています。

しかし、人間。しかも他の土地のものが現地の伝統を壊してまで禁止するのもどうなんだろう?(=_=)

いま、少しずつですがコカの葉の薬用での再認識も始まっています。

コカノキの葉にはコレステロールをコントロールしたり、リュウマチの痛みを抑える効果などが認められ、改めてみなおす研究者も増えています。

これからも上手に付き合っていける未来が訪れるといいですね(≧▽≦)

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

参考資料

講談社:毒草の誘惑 植松黎
データハウス:毒草大百科 奥井真司

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