花の時期だけ人気者、普段は日陰者?沈丁花(ジンチョウゲ)

ジンチョウゲ-表紙
ジンチョウゲ-表紙

まだまだ寒い早春。

風に乗ってどこからともなく甘い香りが漂ってくることありませんか?

香りの元を探してたどっていくと、ありました!

ジンチョウゲです(≧▽≦)

普段は、じみ~な低木だから気にも止められないけど、花の時期だけは「これでもか!」と香りを振りまいて自己主張を始めます。

香りのいい木ということは知っていても、実はあまりメジャーではない庭木「ジンチョウゲ」

今回はそんなジンチョウゲにスポットライトを当てて紹介します(≧▽≦)

ジンチョウゲってどんな木?何の仲間?

ジンチョウゲは漢字で『沈丁花』と書きます。「沈」も「丁」も香りのいい花を表しています。

花は2~3月のまだ寒い時期に、枝先に小さな花が玉状にまとまって咲くとくちょうがあります。

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香りがいいという学名を持つ花木「ジンチョウゲ」

正式な学名はDaphne odore ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑樹です。

ジンチョウゲはジンチョウゲ科

どおりで似ている植物が見つからないわけですね(^_^;)

分類的にもちょっと特殊な植物なんです。

学名のodora は「香りのある」という意味を持つ言葉。

あの香は特徴として外すことはできませんね(≧▽≦)

木の高さは大きくなっても1m程度にしかならず、枝分かれして玉状に大きく育っていきます。

半日陰地を好んで生育するので普通の植物が育たないような家の裏手や、北玄関の植栽にも重宝する。

じつは使い勝手のいい庭木なんです。

ジンチョウゲの特徴はなんと言っても香!

特徴はなんといっても

学名もそうだし、日本名の沈丁花、の「沈」は「沈香」のこと。

沈香のように強い香りがあることからこの文字が当てられている。

通常、香りのいい花はエネルギーを香りにとられてしまうため短命で散ってしまうものが多い。

しかし、ジンチョウゲの花は120〜150種もの香り成分を含み、この香り成分の多さで長時間、素晴らしい香りを保っていられる。

花びらに見える部分も実はガク片

花弁よりも丈夫なため、散ることなく長く楽しむことができる。

これらの作用のおかげで、沈丁花は香りのある花の中でも特に花持ちがよく、風が吹くだけで遠くまで香りが運ばれ虫を呼びよせる役に立っている。

花の時期が長いのは、庭木として観賞するにはポイントが高いですよね!

沈香とはなんだ?

簡単に言えば、お線香の原料になる香りの良い木の枝(正確にはその樹脂)

ここでは詳しい話は省くが、原料となる木もジンチョウゲ科の仲間。

ただ、こっちは高木で原生地では20mになるものもあるらしい。

熱帯の木なので日本では育たない。

同じジンチョウゲ科の植物だが、沈丁花の枝は残念ながら沈香にはならない。

ジンチョウゲの香りがいいのはあくまで花。

枝は飾っても香りません(;´Д`)

「沈」はわかった次は「丁」だ。

『丁』コレは「丁字」という植物の花に似ているところからついた。

「丁字」の字の通り『丁』のような形の花をした植物。

こちらも熱帯の植物で、日本では植物の姿でお目にかかることはほとんど無い。

ただし、丁字の花は香辛料として「クローブ」という名前で利用されている。

カレーを始め各種料理に利用されるので、次のような乾燥した状態でなら見たことがある人も多いんじゃないでしょうか。

どうだろう花の形は『丁』に見えるかな?

『沈香』も『丁字』も日本では栽培が難しいが、日本書紀にも記載があるほど、昔から知られていた植物。

そんな昔から輸入されるほど、利用されていたってすごいことだ!

おすすめポイントは香りだけじゃない!ジンチョウゲの縁起のいい花言葉

香りだけでもお庭に植える価値ありですが、それだけじゃない!!

沈丁花の花ことばは

『不死』『不滅』『永遠』

おおっ(゚д゚)!なんかカッコイイ!

沈丁花は常緑で、1年中緑の葉をつけることから長く続く意味を持つようになったとされます。

また、学名のDaphneはギリシャ神話のダフネに由来し、ダフネはゲッケイジュに姿を変えた神様で、ゲッケイジュは永遠の象徴だから・・・(;^ω^)

という、なんだか風が吹いて桶屋が儲かる理論ですが、そんなことも言われています。

もともとダフネの学名が与えられたのも、沈丁花の葉がゲッケイジュに似ているためとか、そんなに似てるかな?

まあ、常緑で丈夫ってのはあってるけど。

とにかく、英語での花ことばも同じような意味を持ち、縁起木としても優秀なのは間違いないですね(^^♪

ジンチョウゲの品種いろいろ

一般的な品種としては『赤花種』と『白花種』があります。

赤花種は蕾は真っ赤だが、花が開くと内側は白。白花種はもちろん中まで真っ白です(≧▽≦)

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花色は残念ながら2色しかないのですが、ほかには葉に斑が入った品種がいくつかあります。

葉の縁に黄色い斑が入る「前島」という品種。

こちらは逆に葉の中央が黄色くなった沈丁花、『信濃錦』。

緑の部分が少ないから同じ斑入りでも前島より難しいです(;´∀`)

斑入り種は通常品種より性質が弱かったり、花が咲きにくいことがあるのでご注意を(;´・ω・)

沈丁花には赤白しかないって?!嘘つきめ、黄色もあるじゃないか!

(*_*;

確かに、「キバナジンチョウゲ」として販売されている上記写真の植物が確かにあります。

それが夏坊主(ナツボウズ)別名オニシバリ。

ジンチョウゲ科の仲間ではあるが普通の沈丁花とは別種。

沈丁花ほどではないが花に香りもある。

通常品種は、80cmほどになるが、小型のナニワズ、(エゾナツボウズ・エゾナニワズ)は50cmほどでかわいらしい。

ナツボウズもオニシバリもすごい名だが、その由来は和紙にも利用できる強靭でしなやかな枝が鬼も縛り付けることができるということから。

そしてナツボウズは、なんとこの植物夏に落葉するんです!(゚д゚)!

夏に葉がなくなるからナツボウズ。

枯れたわけではないから、切ってしまわないように注意してくださいネ。

まだまだある、沈丁花の仲間

上のキバナジンチョウゲことオニシバリも和紙の原料として使えるが、やっぱり和紙の原料といったら「コウゾ・ミツマタ・ガンピ」Σ(・ω・ノ)ノ!

和紙の3大原料とされる植物の種類ですね。

コウゾ

これが「コウゾ」(楮)↑ クワ科の落葉低木、これはジンチョウゲ科ではないんですよね。

ミツマタ

ジンチョウゲの仲間はこっち。

これが「ミツマタ」(三椏)名前は三又の意味で、枝が3つに分かれて伸びていくことからそう呼ばれる。

ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。春先に黄色い花を葉よりも先に咲かせる。

和紙の原料としてはコウゾより繊維が長く紙幣や洋紙にも利用される有用木。

園芸でも人気で、本来は黄色花だけど、赤花品種もあります。

ガンピ

最後は「ガンピ」(雁皮)、同じジンチョウゲ科ガンピ属のヤンバルガンピ。

繊維は細く短く、光沢のある良質なものだが、生育が遅く、栽培も難しいので栽培はほとんど行われない。

九州四国などの暖地に分布し、2mほどになる。花はミツマタに似た黄色の玉状。

高級な和紙の原料となる。

繊維としては優秀だが残念ながら香はない。人気があるのはやっぱりジンチョウゲですね(^^♪

最後にジンチョウゲの欠点も紹介

いいことばかりを書いてきたが、最後に欠点もお伝えしとかなくてはなりません(;´・ω・)

1、種はほとんどできない。

なぜなら日本で栽培される沈丁花のほとんどがオスだから。

実は沈丁花は雄と雌の花が別々の株に咲く、雌雄異株なんです。

通常は挿し木で繁殖させられるから、成長の早い雄ばかりが増殖されて広がっているというわけ。

挿し木が簡単にできるので、種ができなくてもたいして問題はない。

ただ稀にメス木がある場合、赤く丸い実をつける場合がある。残念ながら食べれない。

2、ジンチョウゲには毒がある。

実だけではなく植物全草に毒があるので注意したい。

と言っても花を煎じて民間療法として利用することもあるので、それほど強い毒ではない。

普通に触るくらいは全く問題ないです。

関連リンク→:悪用厳禁!お花屋さんで普通に買える『毒草』

3、急に枯れます。

1mほど大きく育ったジンチョウゲがいきなり枯れてしまうことがよくあります。

寿命は10年未満と庭木としては非常に短い。

これは根に発生する白絹病が原因。

困ったことに発生したら対処の使用がありません(*_*;

引っこ抜いて焼却処分。沈丁花は短命とあきらめて、挿し木でいざというときの苗を作っておきましょう。

ジンチョウゲの挿し木はすごく簡単で誰でも増やすことができます。

4、移植できない。

ジンチョウゲは根を切ると、ほぼ間違いなく枯れます(*_*;

一度植えたら動かせないものと考え、定植の場所はよく考えましょう。

お店で買うときも根巻(鉢に植わって無く根を布でまいただけのもの)は避けて、鉢植えのものを購入しよう。

書き出したら結構欠点があった(;^ω^)

それでも欠点を補って余りある芳香は魅力ですよ。

まだまだ不明な点の多い沈丁花

先ほど雌雄異株と書きましたが、よくよく調べるとほとんどの花に雌雄の機能がそろっているようです。

だからホントは雌雄同種で、環境要因で実がつかないのでは??という研究もある。

現在本当のところは、まだ結果が出ていないんだ(^_^;)

では原生地では?

というと、沈丁花は中国原産と言われているのですが、中国で自生地が見つかっていない。

そんなことから原種ではなくもともと園芸品種だったのでは?という話もあり、こちらも正確なところはこれからの研究を待つことになりそうです。

まとめ

今回は香りのいい常緑樹『ジンチョウゲ』について紹介しました。

  • 強すぎる日差しは逆効果。株を枯らす原因となります。半日陰に植えましょう。
  • 日本には雄株しかない?種はつけないので、増やすときは挿し木
  • 縁起のいい花言葉『不死』『不滅』『永遠』
  • 樹木にしては短命。10年くらいで枯れてしまうので、挿し木で増やしておこう。

離れていてもわかるくらいに香りは強い。普通の植物ではうまく育たない半日陰を好むから、お庭で空いている場所があれば仲間に入れてあげてくださいね(≧▽≦)

では、皆様よい園楽を~(。・ω・)ノ゙

花の時期だけ人気者、普段は日陰者?沈丁花(ジンチョウゲ)” に対して1件のコメントがあります。

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