花の時期だけ人気者、普段は日陰者?沈丁花の話 ~ジンチョウゲ~

早春になると風に乗ってどこからともなく甘い香りが漂ってくることありませんか?

学名にodora「香りのある」という意味を持つ低木、沈丁花。

正式な学名はDaphne odore ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑樹。

大きくなっても1m程度にしかならず、半日陰地を好んで生育するので普通の植物が育たないような裏手や、北玄関の植栽にも重宝する使い勝手のいい庭木。

今日はそのおすすめポイントと注意点を紹介します(^^♪

*何はともあれ香!

特徴はなんといっても。学名もそうだし、日本名の沈丁花、の「沈」は「沈香」のこと。沈香のように強い香りがあることからこの文字が当てられている。

沈香とはなんぞや?という話になるのだが(^_^;)

簡単に言えば、お線香の原料になる香りの良い木の枝(正確にはその樹脂)

ここでは詳しい話は省くが、原料となる木もジンチョウゲ科の仲間。ただこっちは高木て20mになるものもあるらしい。熱帯の木なので日本では育たないようだ。

沈丁花の枝は残念ながら沈香にはならない。香りがいいのはあくまで花。

花の香り成分として120〜150種もの種類が含まれているらしい。この香り成分の多さのお陰で長時間、素晴らしい香りを保っていられる。沈丁花は香りのある花の中でも花持ちがよく、風が吹くだけで遠くまで香りが運ばれる。

通常、香りの強い花はそのために力を消費するため一般的に花持ちが悪いとされるが、沈丁花はかなり長く楽しめる。庭木として人気のある要因ですね(^_^)

*沈はわかった次は「丁」だ。

丁。コレは「丁字」という植物の花に似ているところからついた。「丁字」の次の通り丁のような形の花をした植物。こちらも熱帯の植物で日本でお目にかかることは殆ど無い。

ただし、丁字の花は「クローブ」という香辛料として、カレーを始め各種料理に利用されるので上のような乾燥したものなら見たことがあるかもしれない。

沈香も丁字も日本では栽培が難しいが、日本書紀にも記載があるほど昔から知られた物だったようだ。

昔の日本の植物名は名前から姿が想像できるからいいですよね(*^^*)

最近のカタカナ名は最近ついていけなくなっている(-_-)

*おすすめポイントは香りだけじゃない!縁起のいい花言葉

香りだけでもお庭に植える価値ありですが、それだけじゃない!!

沈丁花の花ことばは

『不死』『不滅』『永遠』

おおっ(゚д゚)!なんかカッコイイ!

沈丁花は常緑で1年中緑の葉をつけることから長く続く意味を持つようになったとされます。また、学名のDaphneはギリシャ神話のダフネに由来し、ダフネはゲッケイジュに姿を変えた神様で、ゲッケイジュは永遠の象徴だから・・・(;^ω^)

という、なんだか風が吹いて桶屋が儲かる理論ですが、そんなことも言われています。もともとダフネの学名が与えられたのもゲッケイジュに葉が似ているためとか、そんなに似てるかな?まあ、常緑で丈夫ってのはあってるけど。

英語での花ことばも同じような意味を持つので、縁起木としても最高ですね(^^♪

*沈丁花の品種いろいろ

品種としては赤花と白花があります。赤とはいっても花弁の内側は白く、真っ赤という感じではないかもしれません。

この花に見えているもの、実はガク片と言われる葉っぱに近いもの。花びらよりもしっかりしていて長持ちするため沈丁花は花が長く咲くのですΣ(・ω・ノ)ノ!

花色は残念ながら2色しかないのですが、ほかには葉に斑が入った品種がいくつかあります。

ただし、斑入り種は通常品種より性質が弱かったり、花が咲きにくいことがあるのでご注意を(;´・ω・)

*赤白しかないって?!嘘つきめ、黄色もあるじゃないか!

(*_*;

確かに、「キバナジンチョウゲ」として販売されている上記写真の植物が確かにあります。

それが夏坊主(ナツボウズ)別名オニシバリ。

ジンチョウゲ科の仲間ではあるが別種。沈丁花ほどではないが花に香りもある。

通常品種葉80cmほどになるが、小型のナニワズ、(エゾナツボウズ・エゾナニワズ)は50cmほどでかわいらしい。

ナツボウズもオニシバリもすごい名だが、その由来は和紙にも利用できる強靭でしなやかな枝が鬼も縛り付けることができるということから。

そしてナツボウズは、なんとこの植物夏に落葉するんです!(゚д゚)!夏に葉がなくなるからナツボウズ。枯れたわけではないから注意してくださいネ。

*まだまだあるゾ、沈丁花の仲間

上のキバナジンチョウゲことオニシバリも和紙の原料として使えるが、やっぱり和紙の原料といったら「コウゾ・ミツマタ・ガンピ」ですよねΣ(・ω・ノ)ノ!

え?なんだかわからないって?しょうがないですね。

これが「コウゾ」(楮)↑ クワ科の落葉低木、これはジンチョウゲ科ではないんですよね。

ジンチョウゲの仲間はこっち。これが「ミツマタ」(三椏)名前は三又の意味で、枝が3つに分かれて伸びていくことからそう呼ばれる。

ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。春先に黄色い花を葉よりも先に咲かせる。

和紙の原料としてはコウゾより繊維が長く紙幣や洋紙にも利用される有用木。

園芸でも人気で、赤花品種もある。

最後は「ガンピ」(雁皮)写真は見つけられなくて、同じジンチョウゲ科ガンピ属のヤンバルガンピ。

繊維は細く短く、光沢のある良質なものだが、生育が遅く、栽培も難しいので栽培はほとんど行われないらしい。

九州四国などの暖地に分布し、2mほどになる。花はミツマタに似た黄色の玉状。

高級な和紙の原料となるらしい。

繊維としては優秀だが残念ながら香はない。人気があるのはやっぱりジンチョウゲですね(^^♪

*お伝えしなければならないことがあります|ω・)

いいことばかりを書いてきたが、最後に欠点もお伝えしとかなくてはなりません(;´・ω・)

1、種はほとんどできない。

なぜなら日本で栽培される沈丁花のほとんどがオスだから。

実は沈丁花は雄と雌の花が別々の株に咲く、雌雄異株なんです。通常は挿し木で繁殖させられるから成長の早い雄ばかりが増殖されて広がっているというわけ。

挿し木が簡単にできるので、種ができなくてもたいして問題はない。ただ稀にメス木がある場合、赤く丸い実をつける場合がある。残念ながら食べれない。

2、実は食べれないどころか毒がある。

実だけではなく植物全草にあるようなので注意したい。と言っても花を煎じて民間療法として利用することもあるのでそれほど強い毒ではないのかもしれない。

3、急に枯れます。

1mほど大きく育ったジンチョウゲがいきなり枯れてしまうことがよくあります。寿命は10年未満といったところ。これは根に発生する白絹病が原因。困ったことに発生したら対処の使用がありません(*_*;

引っこ抜いて焼却処分。沈丁花は短命とあきらめて、挿し木でいざというときの苗を作っておきましょう。挿し木はすごく簡単で誰でも増やすことができますよ。

4、移植できない。

根を切ると、ほぼ間違いなく枯れます(*_*;

一度植えたら動かせないものと考え、定植の場所はよく考えましょう。お店で買うときも根巻(鉢に植わって無く根を布でまいただけのもの)は避けて、鉢植えのものを購入しよう。

書き出したら結構欠点があった(;^ω^) それでも欠点を補って余りある芳香は魅力ですよ。

*まだまだ不明な点の多い沈丁花

先ほど雌雄異株と書きましたが、よくよく調べるとほとんどの花に雌雄の機能がそろっているようです。だからホントは雌雄同種で、環境要因で実がつかないのでは??という報告もあるようです。

では原生地では?というと、沈丁花は中国原産と言われているのですが、中国で自生地が見つかっていないそうです。

そんなことから原種ではなくもともと園芸品種だったのでは?という話もあり、正確なところはこれからの研究を待つことになりそうです。

意外と奥が深かったジンチョウゲ。そろそろいろいろなところから香りの便りが届くころです。

この記事が、沈丁花の香だけでなくじっくりとその生態を観察するきっかけになってもらえたらうれしいですね(≧▽≦)

 

園楽project~飾ればそこが園になる~

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